野村絵梨花 ~何気ない日常が愛おしくなる「土」の温もりが伝わる器~
名古屋市内で作陶活動に励む陶芸家、野村絵梨花さんの作品に初めて出会ったのは、やきものの町、愛知県瀬戸市で年に一度開催されているやきもののイベントだった。東海地方に拠点を置く作家たちが集い、みずからの作品を展示、販売するこのイベントの中で野村さんの作品は、際立った華やかさや目を見張るような個性を放っていたわけではなかった。ただ、ブースに並ぶ器をひとたび手に取ると「この器には、あんなお料理が合いそう」、「このカップにおいしいコーヒーを淹れて…」、「小皿には焼き菓子を並べたいな」と、器たちと過ごす日常のシーンが、次々に浮かんできたことを覚えている。
かつては、事務職として企業に勤めていたという野村さん。仕事帰りにしばしば立ち寄った器屋で、所狭しと並ぶ和食器の中から、宝探し感覚でお気に入りの器を探していたとか。その後、転職や引っ越しなどを機に、自宅の近くにあった陶芸教室へ通うように。初めは月に数回、体験教室に通う程度だったが、次第に「土」という素材が持つ温かみや風合いに魅了され、作り手としての道を歩み始めた。
専門学校を経て、2001年から陶芸家としてのキャリアをスタートさせた野村さんは、十数年経った今もなお「土」の魅力を引き出す器づくりに没頭している。「土」の素材感や独特の手ざわりを伝えるため、一旦ろくろで成形した器を、手作業により一つひとつ削りを加えて再び形を整える。「土」本来の風合いを生かすため、釉薬は試行錯誤の末に辿りついた割合を基に、独自に配合している。「人の何倍も手間も時間もかかります。でも、陶芸の道を志すきっかけとなった“土”の良さを、一番引き出せるような作品を作り続けたい。だから今は絵付けもしないんです。いつか興味が湧いたら、違うスタイルにも挑戦するかもしれないけどね」と笑う野村さん。
「作家ものの器」として気を張って扱うものではなく、暮らしに寄り添うような、使い勝手のよさを追求しているのも野村さんらしさの一つ。例えば大半の作品は、温める程度なら電子レンジにも使用でき、ぶつからないように並べれば食器洗浄機に入れても良い。グラタン皿やココットなど作品によっては、オーブンにそのまま入れて調理できるように、耐熱用の土を使っている。
これから始まる一日に、胸を躍らせる朝食。仕事や家事の合間、リラックスして気分転換するブレイクタイム。そして、互いの一日を振り返り、大切な人と食卓を囲む夕食の時間。和食器の店で宝物探しをしていた頃から変わることのない、うつわ好きな使い手としての思いが生む作品は、今日もまた、何気ない日常を愛おしく感じさせてくれる。


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