お気に入りの椅子に使いたい、筒描き染めの椅子敷き
山内武志さんの筒描きの椅子敷きが入荷しました。
筒描きとは、糊を絞り出しながら絵を描き、その後に染色で染め上げる技法で、神経を使い手間もかかるのだとか。筒描きで染め、洗いをかけたあと刷毛で、ラインや水玉に刷毛薄く染め色を加えた、非常に凝った作品です。手描き独特の滲みやゆらぎがみられ、非常に味わい深い温もりを感じる仕上げとなっています。
筒描きは、型染めと違い、シャープさより素朴な印象があります。そして山内さんが考案するデザインや色の組み合わせは、心まで温かくなるような優しさに溢れています。このような筒描きの作品はとても貴重で、入荷数も少なく、次の入荷は未定です。
伝統文様とモダンデザインの融合
山内さんが生み出す染めものは、現代の暮らしにも馴染むモダンなデザインが魅力。
丸や四角を組み合わせた幾何学模様の愉しさや、伝統的な文様、家紋をアレンジした模様に感じる品格は、民藝の心を脈々と受け継いだ、誠実なものづくりへの姿勢の証拠。使われる空間で、心地よい存在感が放たれる印象を受けます。型染めというと和のイメージが強いかもしれませんが、アンティークや北欧の家具とも相性がよいので、普段の暮らしに気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■material:木綿100%/中綿 圧縮フェルト100%
※手描き染めのため、滲みや揺らぎがみられます。手工芸の味わいとしてご理解ください。 ※汗や摩擦により色移りする場合があります。
※サイズは目安で、一枚一枚ばらつきがあります。
※手染めのため、画像との色の違いや色ムラがある場合があります。
※日光に長時間あたると、色あせが発生します。
※ふだんのお手入れは、洋服ブラシなどでホコリを払っておき、汚れが目立つようでしたら固くしぼった布巾で軽く拭いて乾かしてください。週1回のお手入れで十分きれいを保てます。
※洗濯機、乾燥機はかたちが崩れますのでお避けください。
【お願いとご注意】 色名や柄名については当店で独自につけています。色名は日本の伝統色にちなんだ名ですが、手しごとの魅力を伝えるための意図で名付けており、カラーチップやチャートを元にした染色ではありません。 当店の色柄名を指定しての、アトリエぬいやさんや別店舗さまへのお問い合わせはどうかご遠慮いただきますようお願いいたします。また、別店舗さまでの色名と当店の設定する色名は同じ染色とは限りません。 また、同じ色名であっても、手仕事ならではの特性で商品ごとに多少の違いがございますことをあらかじめご了承ください。色や素材についての疑問などはお気軽にお問い合わせくださいませ。
商品のつくり手について

伝統の型染めで生み出されるモダンな模様のテキスタイル
明治から大正時代にかけて、型染めの産地として知られていた浜松。天竜川を水源とした豊富な清水に恵まれ、山風が吹くこの地は、洗いと乾燥が鍵を握る染め物にとって絶好の場所です。この浜松で型紙づくり、染め、色止め、洗いなど気の遠くなるような作業を要する伝統的な型染めの技法を今も守り続けるのが、浜松に工房を構える染色家の山内武志さんです。
紺屋を営む家に生まれた山内さんは、人間国宝の染色家・故芹沢跽介氏に師事して技の研さんを積むと共に、感性に磨きをかけ、独自の世界観を確立させます。
「すべての工程がおろそかにできないんです」と語る通り、一つひとつの工程に対して、一切の妥協を挟まないそのていねいな手仕事ぶりには、伝統工芸を生み出した先人たちへの敬意と、浜松の染め文化に対する誇りが感じられます。
そんな山内さんが生み出す布製品は、伝統的な型染めならではのやさしい肌ざわりや通気性の良さ、色の鮮やかさはそのままに、現代の暮らしにも馴染むモダンなデザインが魅力。丸や四角を組み合わせた幾何学模様や伝統の和柄をアレンジしたぬくもり感あふれる柄は、つい手に取ってみたくなる愛らしさに満ちています。色とりどりの染め物たちが、暮らしを楽しく彩ってくれます。
[N Drive 創刊号 静岡いろは掲載店]