一枚絵をみるような麻の型染めタペストリー
山内武志さんの新作タペストリーが入荷しました。しっかりとした麻に、いまにも羽ばたきそうな美しい鶴丸を配した見事な作品。山内さんが築き上げたその世界の、ある種の完成系を見るような一枚です。見ていると心が不思議に落ち着いてくる佳作です。
扉1枚ほどの大きなサイズ。壁に飾ってもよいですし、風通しをよくしたいお部屋に簾(すだれ)のように使っても、間仕切りにも。麻ですので、ほどよい透け感をお楽しみいただけます。
日々の暮らしのなかでこそ映える山内さんの作品、見るたびに豊かな気持ちになれます。
正統的民藝を受け継ぐ、確かな技と美
人間国宝の 故芹沢けい介(せりざわけいすけ)氏に師事し型染めを学んだ山内武志さん。80歳を超えてなお、精力的に作品づくりに日々取り組んでいます。山内さんが生み出した型紙は、手ぬぐいだけでも100種類以上といいます。なかでものれんは、そのダイナミックな図案でとても人気です。
伝統柄からオリジナルの抽象柄までその生命力あふれる作品に魅入られ収集するファンが多いというのも頷けます。華やかでありながら決して俗っぽくならず、品格があり使い込むほどに愛着の湧く逸品です。
■material:麻100%
※洗濯は中性洗剤をお使いください。手洗いの押し洗いをおすすめします。タンブラー乾燥は避けて形を整えて陰干しにしてください。
※サイズは目安で、一枚一枚ばらつきがあります。
※手しごとのため、画像との色の違いや色ムラがある場合があります。
※織の処どころに凹凸や糸が出ている箇所がありますが、国内産で昔ながらの麻織物ならではの味わいです。手しごと品ならではとご理解ください。
商品のつくり手について
丁寧な手しごとから生まれる、唯一無二の型染め
明治から大正時代にかけて、型染めの産地として知られていた浜松。天竜川を水源とした豊富な清水に恵まれ、山風が吹くこの地は、洗いと乾燥が鍵を握る染め物にとって絶好の場所です。この浜松で型紙づくり、染め、色止め、洗いなど気の遠くなるような作業を要する伝統的な型染めの技法を今も守り続けるのが、浜松に工房を構える染色家の山内武志さんです。
紺屋を営む家に生まれた山内さんは、人間国宝の染色家・故芹沢けい介氏に師事して技の研さんを積むと共に、感性に磨きをかけ、独自の世界観を確立させます。
「すべての工程がおろそかにできないんです」と語る通り、一つひとつの工程に対して、一切の妥協を挟まないそのていねいな手仕事ぶりには、伝統工芸を生み出した先人たちへの敬意と、浜松の染め文化に対する誇りが感じられます。
そんな山内さんが生み出す布製品は、伝統的な型染めならではのやさしい肌ざわりや通気性の良さ、色の鮮やかさはそのままに、現代の暮らしにも馴染むモダンなデザインが魅力。丸や四角を組み合わせた幾何学模様や伝統の和柄をアレンジしたぬくもり感あふれる柄は、つい手に取ってみたくなる愛らしさに満ちています。色とりどりの染め物たちが、暮らしを楽しく彩ってくれます。
[N Drive 創刊号 静岡いろは掲載店]