家紋に込められた願い
身近な草花や樹木、動物や道具を、誰もが望む普遍的な願いを込めてアイコン化した家紋は、円と線のみでかたちの本質を表現したアートともいえます。山内武志さんは「型染め」という手法を用いて、今を生きる私たちが気負わず、そして純粋に、その美を日常のものとして愉しめる一枚に仕上げいます。
型染めの風呂敷「入れ違い葉沢瀉」(いれちがいはおもだか)
沢瀉は、沼や池、田んぼに自生する水草で、葉の形が矢じりに似ていることから「勝ち草」とも呼ばれ古来より武人に愛されたそうです。大胆な構図で、染め色により渋くもモダンな印象を受けますが、包むのはもちろん、さりげなくかけておくだけでも、驚くほど豊かな表情が現れます。
平織りの木綿生地に染められています。風呂敷としてはもちろんテーブルクロスでも、ベッドやソファにさっと掛けても、タペストリーとして飾ってもよいかもしれませんね。
90サイズは、持ち歩きにもちょうどよいサイズです。三角に折っててっぺんを結び、肩掛けにするだけでバッグに早変わりします。エコバッグ代わりに持ち歩いても素敵です。いろいろ使える型染めの風呂敷は、一つあるととても便利です。
◎こちらは1枚でしたらメール便の発送も可能です。
人間国宝の 故芹沢けい介(せりざわけいすけ)氏に師事し型染めを学んだ山内武志さん。山内さんが生み出した型紙は、手ぬぐいだけでも100種類以上といいます。なかでも風呂敷や多用布は、堂々とした色使い、モダンで華のある大胆な図案、大小の線づかいの調子など、どれも素晴らしいものばかり。
伝統柄からオリジナルの抽象柄までその生命力あふれる作品に魅入られ収集するファンが多いというのも頷けます。華やかでありながら決して俗っぽくならず、品格があり使い込むほどに愛着の湧く逸品です。
参考文献: 「日本の家紋大事典(森本勇矢 日本家紋研究会)」「決定版 由来・起源がよくわかる! 家紋と名字(網本光悦 西東者)」「日本の家紋 (青幻舎第二編集室 青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)」及び 家紋のいろは 日本の家紋に関する情報サイト
■material:木綿100%
※汗や摩擦により色移りする場合があります。使用前にたっぷりの水で単独洗いをしてください。
※洗濯は中性洗剤をお使いください。手洗いをおすすめしますが、洗濯機を使う場合は折りたたんで洗濯ネットに入れ、単独洗いをしてください。タンブラー乾燥は避けてください。干す時い左右、上下、斜めとひっぱるようにして形を整えて干してください。
※サイズは目安で、一枚一枚ばらつきがあります。
※手しごとのため、画像との色の違いや色ムラがある場合があります。
商品のつくり手について
丁寧な手しごとから生まれる、唯一無二の型染め
明治から大正時代にかけて、型染めの産地として知られていた浜松。天竜川を水源とした豊富な清水に恵まれ、山風が吹くこの地は、洗いと乾燥が鍵を握る染め物にとって絶好の場所です。この浜松で型紙づくり、染め、色止め、洗いなど気の遠くなるような作業を要する伝統的な型染めの技法を今も守り続けるのが、浜松に工房を構える染色家の山内武志さんです。
紺屋を営む家に生まれた山内さんは、人間国宝の染色家・故芹沢けい介氏に師事して技の研さんを積むと共に、感性に磨きをかけ、独自の世界観を確立させます。
「すべての工程がおろそかにできないんです」と語る通り、一つひとつの工程に対して、一切の妥協を挟まないそのていねいな手仕事ぶりには、伝統工芸を生み出した先人たちへの敬意と、浜松の染め文化に対する誇りが感じられます。
そんな山内さんが生み出す布製品は、伝統的な型染めならではのやさしい肌ざわりや通気性の良さ、色の鮮やかさはそのままに、現代の暮らしにも馴染むモダンなデザインが魅力。丸や四角を組み合わせた幾何学模様や伝統の和柄をアレンジしたぬくもり感あふれる柄は、つい手に取ってみたくなる愛らしさに満ちています。色とりどりの染め物たちが、暮らしを楽しく彩ってくれます。
[N Drive 創刊号 静岡いろは掲載店]